抜栓後のノンアルコールワインは、いつまで飲める?――保存の考え方と日持ちの目安

先に結論
抜栓後のノンアルコールワインの持ちは、冷蔵保管で一週間程度が目安です。商品によっては、それ以上持ちます。
スパークリングのものは、アルコールのワインと同じです。二、三日のうちに。
一本を開けきれないという理由でノンアルコールを避けている飲食店は少なくありませんが、実際にはワインより扱いやすい面があります。理由を順に説明します。
*ただし、商品や保管環境によって差があります。あくまで目安として、最後はご自身で判断してください。
なぜ、持つのか
飲み物が開栓後に劣化する原因は、大きく二つに分かれます。
ひとつは微生物による劣化です。空気中の菌が入り込んで増え、酸っぱくなったり、濁ったり、異臭が出たりする。
もうひとつは酸化による劣化です。酸素に触れることで香りの成分が変質し、開けた日の印象から遠ざかっていく。
ワインは、アルコールそのものに抗菌作用があるため、微生物にはもともと強い飲み物です。ただしひとつだけ例外があります。酢酸菌です。
開けたまま置いたワインが酢のような味になるのは、この菌がワインのアルコールを材料にして酢酸をつくるためです。ワインビネガーは、この反応を意図的に起こしてつくられます。アルコールがあるからこそ起きる現象だと言えます。
ノンアルコールには、その材料がありません。だからしばらく置いても、ビネガーのように酸っぱくなることは構造上ありません。
では微生物への守りはどうかというと、多くのノンアルコール飲料は清涼飲料水として加熱殺菌などの処理を経ています。アルコールによる防御を持たないぶん、製造の段階で対処してあるわけです。
守り方が違うだけで、どちらも守られている。 そう考えると分かりやすいと思います。
そして、香りの変化も緩やかです。
酸化そのものはアルコールの有無に関係なく起こります。ただ、加熱殺菌の工程では、もっとも揮発しやすい香り成分が失われます。つくり手はそれを織り込んだうえで、加熱を経ても残る成分で味わいを組み立てています。
言い換えれば、開けた日に感じる香りは、すでに一度熱を通り抜けてきたものです。もともと繊細で消えやすい成分は、その時点で残っていません。だから開栓後も、印象が大きく崩れにくい。
「アルコールが入っていないぶん傷みやすいのでは」と思われがちですが、実際はそうとも限らないのです。
炭酸入りは、アルコールと同じ
スパークリングタイプだけは別に考えてください。
炭酸が抜けるかどうかは、アルコールの有無と関係ありません。開栓した瞬間から気が抜けていくのは、シャンパン等のスパークリングワインとまったく同じです。
冷蔵庫に入れておけば二、三日は楽しめます。バキュバンなどのストッパーを使えば、さらに保ちます。泡物に関しては、ワインと同じ道具がそのまま使えます。
なお、泡が抜けても味わいのバランスが崩れない商品もあります。たとえばインフュージョン製法のNON No.2やNo.7は、炭酸が主役ではなく、素材の組み立てで味わいが成立しているタイプです。こうした商品は、泡が弱まってからも別の表情で楽しめます。
実際、どのくらい持つのか
ノルキーで扱っている商品で確かめたところ、Palette & Palate や TEMPERA の スティルタイプは、冷蔵保管で二週間ほど置いても問題なく飲めました。
一週間を目安として案内していますが、実際にはそれより長く持つものが多いというのが、扱っている側の実感です。
もちろん商品によって差がありますし、保管環境にも左右されます。開栓日をボトルに書いておけば、判断に迷いません。
飲食店で使う場合
一本を開けきれるかどうかは、メニューに載せるかどうかの分かれ目になります。
ワインをグラスで出す店なら、開栓後の管理はすでに日常の作業です。ノンアルコールもそこに乗せられます。しかも酢酸化の心配がないぶん、管理の難しさはワインより低い。
750mlのボトルなら、100mlで7杯前後。二週間のあいだに7杯出れば、ロスなく回せます。一日に一杯出るかどうかというペースでも、十分に成立する計算です。
まずは一本から試して、出数を見てから増やす。ノンアルコールを置きはじめる店の多くが、そうやって始めています。
保存の基本
冷蔵庫に入れる:これは必須です!
立てて置く:液面が空気に触れる面積が小さくなります
そして、開栓から時間が経ったものは、出す前にひと口確かめてください。
異臭や明らかな味の変化があれば、提供は控えます。数字はあくまで目安で、最後は自分の感覚が確かです。
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