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【塚田農場】多店舗チェーンにおけるノンアルコールの在り方【吉本了&古門知訓】

今回は、日本酒や焼酎などへ強いこだわりを持ち、2023年2月には「33種に拡充した大人のノンアルコールドリンクでソバーキュリアスな日常にも寄り添える店に進化!」という新たな取り組みを行う株式会社エー・ピーホールディングス(塚田農場の運営会社。以下、AP HOLDINGS)執行役員の吉本了さんとブランド開発室マネージャー古門知訓さんにお話をうかがいました。



塚田農場 宮崎本店

吉本了&古門知訓さんのこれまで


吉本さんと古門さんはそれぞれ吉本さんが2009年に、古門さんは2010年にAP HOLDINGSに入社しております。


古門さんが入社し上野店に配属になった際の店長が吉本さんということですので、10年以上の長い付き合いだと語ります。


両者ともキャリアを積んでいく中で、塚田農場のドリンク開発に深くかかわってきた経歴を持ち、今回のノンアルコールドリンクへの新たな取り組みについて中心的な役割を担ってきました。


ノンアルコールドリンクへ注力するきっかけ

ノンアルコールは常に注目していたものの、実際に動き出すきっかけになったのは、AP HOLDINGSの代表取締役である野本周作さんの鶴の一声だったと言います。


飲み会帰りも家で仕事することが日常茶飯事だった野本社長にとって、居酒屋でもノンアルコールを飲むことが多く、一方ノンアルコールの種類の少なさや品質には常々課題感を持っていました。


そこへきて2020年にコロナが到来すると、飲食店としては前代未聞の酒類の提供制限などまさに未曾有の事態に陥ります。


そこでこれまで以上にノンアルコールへの注力は必須であるとし、吉本さん、古門さんに声をかけノンアルコールへの取り組みが始まります。


居酒屋業態のノンアルコール


とはいえ、吉本さんも古門さんもアルコールは大好きだし、精通していますが、ノンアルコールについて明確な知見があったわけではありません。


当初はノンアルコールカクテルの市場調査も行ったとのことですが、80店舗以上を有する塚田農場全店で行っていくプロジェクトとなると、アルバイトの方にも可能なオペレーションと全店で提供できるボリューム(物量)が求められます。


そこで、レモンサワーなどのベースを造ってもらっているコンク(「Concentrated:濃縮した」を語源とする割材のこと)メーカーと相談し、オリジナルコンクの開発を決めます。


このコンクについてのノウハウこそ、小規模店舗にはない大規模チェーンならではの専門性だと二人は語ります。


「オペレーション問題を考えたとき、ドリンクを造る作業工数は増やせて一手まででした。その中でアルコールの持つボディ感や余韻を表現するにはコンクの存在は欠かせません。」


商品コンセプト固め


メインターゲットは、サラリーマン世代、Z世代に定め、


「翌日酔っぱらうのが嫌だ」

「飲み会の後も仕事をしたい」

「明日早くから大事な案件が入っている」


といった具体的なニーズを取り込みました。


後に行った市場調査では、


「お酒を飲む」61%、「お酒を飲まない」39%

「お酒を飲まない」39%のうち、「飲めるのに飲まない」11%、「飲めないから飲まない」28%。さらに、「飲めないから飲まない」のうち、「飲めないけど居酒屋は好き」というのが11%。


ということがわかり、自分たちのターゲットは「お酒を飲めるのに飲まない」11%と「お酒は飲めないけど居酒屋は好き」11%の全体の22%だと改めて定義されます。


ドリンク開発の舞台裏


さていくら注力しても、お客さまに知ってもらわないことには何も始まりません。


そこで訴求したポイントが、商品数!


「ある程度の数がないと、お客さまにこれまでのソフトドリンク類とは違うノンアルコールカテゴリーとして認識していただけません。そして、せっかく注力するのであれば、他のどこの居酒屋チェーンにも負けない商品数で勝負したかったんです。」


吉本さんはそのようにおっしゃっていました。


33品のノンアルコールドリンクの結果は?


2月からスタートした取り組みですが、すでに結果は上々だそうです。


ノンアルコール、ソフトドリンクの出数比率は、これまでの11%から14%まで向上し、原価率もこれまで以上に抑えられているとのこと。


また、プレスリリースふくめSNS等でも反響があり、新規顧客開拓にも繋がっているとのこと。


今後の課題についてうかがってみると、


「まずは認知ですね!塚田農場はノンアルコールでも楽しめるということをもっと多くの人に知っていただきたいです。多くの商品を展開することは、弊社にとっても在庫面などでリスクはあります。しかし多くの人が来店し、ノンアルコールを楽しんでくれることで、さらに言えばこれまでのような仕方なしのノンアルコールではない、積極的な選択肢としてノンアルコールを楽しんでいただけるようになれば、きっと弊社にとっても市場全体にとってもプラスに広がっていくはずです。」


最後に

そうはいっても、読者のみなさんが気になるのは、やはり味でしょう。


せっかくなのでと出していただいた「のんあるハイボール」を試飲させていただきましたが、香りから味わいから、その高い完成度に驚かされました。ありがちな表現で恐縮ですが、何も言わずに出されたらノンアルコールと見抜くのはかなり難しいと思います。


これからノンアルコールに注力しようという業界の方はぜひ一回試してみてください。


*記事制作を含め、nolkyはAP HOLDINGSさんから1円もいただいておりませんので素直な感想です(笑)


ノンアルコールで居酒屋の雰囲気を楽しみたい方はこちらから☞【公式】塚田農場 | 24時間ネット予約可 (tsukadanojo.jp)

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